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個人成り

個人成りの手続

会社を設立してみたものの、思うように事業が展開できなかった場合や、会社の規模や状況に応じて個人事業として事業を継続したほうがメリットがあるということがあります。弊事務所では、納税者にとってどの形態が最もメリットがあるのか、という見地から判断して、ご提案をさせていただいております。

この場合には、法人から個人へ事業を切り替える、いわゆる「個人成り」の手続を行います。この手続をしっかり行わないと、法人と個人の名義や取引が不明確になり、後に思わぬ課税を受けることも起こり得ます。

ここでは、予期しないリスクを回避するために、どのような手続を踏めばよいか説明していきたいと思います。

まず、個人成りには、2つのルートがあります。これを示したのが下の図です。

個人成り

ルート(1)解散・清算

1つ目のルートは、会社を消滅させてしまう方法です。

簡単にいうと、会社の解散日を決定し、解散日までの取引は会社名義で行い、解散日の翌日以降の取引は個人名義に切り替えます。

解散時には、解散の登記手続を行い、税務署や都道府県税事務所、市町村に解散届を提出する、解散事業年度の確定申告書を作成する手間がかかります。

さらに、解散してもその時点では会社は清算手続に入るだけで消滅しているわけではないため、一定の期間を置いて、清算結了登記、清算結了届、残余財産事業年度の確定申告書を作成することになります。

このように、ルート(1)は、登記手続+届出+申告書作成が2回発生することになり、時間と費用がかかります。もっとも、会社は消滅するため、すっきりした気持ちで個人事業を行うことができるかもしれません。

ルート(1) 解散・清算

ルート(2)会社の休眠

2つ目のルートは会社を休眠させる方法です。

税務署、都道府県税事務所、市町村に会社の休眠届を出すだけで実行できます。ただし、会社は存在していますので、個人事業と区分けを明確にし、個人成り以後、会社名義で取引を行わないように注意する必要があります。

簡便な方法なのですが、会社は存続しているため、毎期の確定申告(0申告)と役員の重任に係る登記手続(任期が10年でも1回は行うことになります。)は行う必要があります。12年間経過すると、みなし解散となります。

ルート(2) 会社の休眠

いずれの方法においても重要なのは、個人と会社の名義、取引を個人事業開始の日前後で明確に区分することです。

たとえば、4/1に個人成りを行い、個人事業を開始した場合には、3/31までに発生した取引は会社名義の会社の取引となり、4/1以降は個人名義の個人の取引となります。このために、4/1以降個人の取引となることを事前に取引関係者等に周知しておく必要があるでしょう。

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